日本の血圧の基準(JSH)

最終更新:2026年8月

日本では、診察室血圧140/90 mmHg以上、または家庭血圧の平均135/85 mmHg以上で高血圧と診断されます。両者が食い違うときは、家庭血圧の数値が優先されます。どちらの基準値も日本高血圧学会(JSH)によるもので、2025年のガイドラインでは降圧目標も全年齢で一本化されました — 診察室血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満です。

このページでは、診察室血圧と家庭血圧を併記したJSHの血圧分類、日本でおなじみの朝晩の測定習慣、血圧手帳という習慣、そしてこれらの数値が米国の基準とどう違うのかを見ていきます。分類名も基準値も国によって異なるため、海外で診断を受けた方は、主治医が別の線引きで判断している可能性があります。

日本で高血圧とされる数値

日本の血圧分類を定めているのは日本高血圧学会(JSH)です。現行のガイドラインは2025年8月に公表された高血圧管理・治療ガイドライン2025(JSH 2025)で、6年ぶりの改訂にあたります。診断のための基準値はJSH 2019から変わっていません。そして日本の分類の特徴は、すべてのカテゴリーが二通りに定義されていることです — 診察室血圧としての基準値と、家庭血圧としての基準値。家庭血圧のほうが低めに設定されています。

分類診察室血圧(mmHg)家庭血圧(mmHg)
正常血圧120未満かつ80未満115未満かつ75未満
正常高値血圧120~129かつ80未満115~124かつ75未満
高値血圧130~139かつ/または80~89125~134かつ/または75~84
Ⅰ度高血圧140~159かつ/または90~99135~144かつ/または85~89
Ⅱ度高血圧160~179かつ/または100~109145~159かつ/または90~99
Ⅲ度高血圧180以上かつ/または110以上160以上かつ/または100以上

高血圧とはⅠ度以上のことで、境目は診察室血圧140/90、または家庭血圧の平均135/85です。上下どちらか一方でも超えていれば該当します。「高値血圧」はまだ高血圧ではありませんが、JSHの一般向け冊子ははっきり書いています — 高値血圧は放置してはいけない状態です。JSH 2025は、すでに高血圧と診断された人だけを対象とするのではなく、この高値血圧の段階までを明確にガイドラインの守備範囲に含めました。

JSH 2025でもっとも大きく変わったのは降圧目標です。JSH 2019では75歳未満は厳しめ、75歳以上はゆるめと2つに分かれていましたが、新しいガイドラインはこれを全年齢で1つの目標に統一しました — 診察室血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満です。75歳以上では「忍容性があれば個別に判断して」適用するとされ、下げすぎへの注意も明記されています。

JSHがもっとも重視する家庭血圧

日本のガイドラインには、他国ではあまり見られない特徴があります。診察室血圧と家庭血圧が食い違うときは家庭血圧を優先する、と明記していることです。理由は実際的なもので、家庭血圧のほうが脳卒中や心疾患の発症をよく予測することが研究で示されているため、高血圧の診断では家庭血圧に優先度が置かれています。

この優先順位があるからこそ、診察室での測定だけでは見逃される2つのパターンをとらえられます — 白衣高血圧(診察室では高いのに、家庭では正常)と、その裏返しでより危険な仮面高血圧(診察室では正常なのに、家庭では高く、持続性高血圧と同程度のリスクがあります)です。この2つを見分けられるのが家庭血圧測定です。

JSHが示す測定の手順は具体的で、そのとおりに守る価値があります:

  • 朝:起床後1時間以内、排尿後、朝食前、そして服薬前に測ります。
  • 晩:就寝前に測ります。
  • 朝晩共通:まず1~2分間静かに座り、カフは心臓の高さに、脚は組まず、測定中は会話をしません。
  • 1回の機会に2回測定し、すべて記録します — 判断するのは平均値であって、いちばん良かった値ではありません。
  • 診断は5~7日以上の平均で行います。特定の1日の数値では判断しません。

当サイトの測定方法ガイドでは、腕の位置、カフの巻き方、知らないうちに5~10 mmHg上乗せしてしまうミスなど、同じ準備をさらに詳しく解説しています。

JSHが認める血圧計の選び方

一般向けのJSHの助言は明快です。カフを上腕に巻くタイプの血圧計を使ってください。手首式について、冊子は「どうしても不正確な値になりやすい」と書いています — 手首は解剖学的に動脈をきちんと圧迫しにくく、カフを心臓の高さに保つのも難しいためです。

学会は助言にとどまりません。血圧計に関する作業部会が、日本で販売されている血圧計の精度検証結果を公表しており、主要メーカーの上腕式機種が掲載されています。掲載されているのは上腕式のみで、手首式は対象外です。またJSHは、この一覧はあくまで検証の記録であって特定の機種を推奨するものではない、と断っています。

カフの形式や通信機能、「臨床的に検証済み」が実際に何を意味するのかで迷っているなら、当サイトの血圧計の種類ガイドが各カテゴリーを比較しています。

日本で血圧を測る機会と、血圧手帳という習慣

日本では、多くの大人がわざわざ血圧を測りに行かなくても測定の機会があります。特定健診の制度により、医療保険者は40~74歳のすべての人に年1回の健診を提供することが義務づけられており、血圧測定はその基本的な検査項目の1つです。会社勤めの方なら、職場の健康診断でも毎年測定されるのが一般的です。つまり多くの人にとっての課題は、測る機会があるかどうかではなく、年1回の健診と健診のあいだをどう過ごすか — そこで前の章の家庭血圧の手順が効いてきます。

日本には、JSH自身が勧めている紙の習慣もあります。血圧手帳です。朝晩の測定値を書き込む小さな記録帳で、健診や診察のときに持参します。JSHの冊子は、家庭で測った値はすべて手帳に記録して医師に見せるように、とはっきり書いています。無料で印刷できるものが欲しい場合は、健康保険組合連合会(健保連)が無料でダウンロードできる血圧手帳のテンプレートを1か月用・3か月用・6か月用で公開しており、入力すると自動でグラフになるExcel版もあります。JSHと日本高血圧協会が共同編集する公式の冊子体の手帳もあり、いくつかの形式で注文できます。

手帳が紙でもアプリでも、医師にとって大事なことは同じです。朝と晩を欠かさず記録し、良かった値だけでなくすべての測定値が残っていること。当サイトの血圧記録ガイドでは、数値と一緒に何を書き残すとよいかを解説しています。

日本と米国の基準値はどう違うのか

日本では診察室血圧140/90、家庭血圧135/85から高血圧と診断されます。米国のガイドラインはこの線をもっと低く、130/80に引いています — つまり診察室での134/84は、東京では「高値血圧」でも、ニューヨークでは「ステージ1高血圧」になります。どちらが間違いということではありません。治療を始める意味が出てくるのはどこからかという判断が、対象とする集団も含めて異なるのです。

とはいえ両者は近づいてきており、JSH 2025はそのもっともわかりやすい表れです。日本の新しい降圧目標 — 全年齢で130/80未満 — は、米国が診断の基準値として使っている数値とちょうど同じところに着地しました。日本では診断の入り口は140/90のままですが、いったん治療が始まれば、両国とも同じ地点を目指すことになります。

血圧日記アプリは初期設定で米国(ACC/AHA)の基準を採用しているため、そのままでは130/80以上の測定値を高いと表示します。日本の主治医がJSHの基準で判断している場合は、アプリの分類範囲を変更できます — 高血圧の境目を140/90に設定すれば、分類はあなたの血圧手帳や主治医の説明と一致します。どこに線を引くにせよ、日本で医師に相談する価値がある数値はJSHが示すとおり、5~7日間の家庭血圧の平均が135/85以上であることです。

ガイドラインがこれだけ広い範囲を対象にしているのは、問題の規模を考えれば当然です。JSH自身の推計では、日本の高血圧の患者数は約4,300万人 — 国内でもっとも多い生活習慣病です。

救急受診が必要なとき

1回の高い測定値だけで緊急事態になることは、まずありません。血圧計が驚くような数値を示したら、数分間静かに座ってからもう一度測ってください — 最初の数値への不安だけで、次の数値は上がってしまいます。

測定値が180/120 mmHgを超えたまま下がらず、胸の痛み、息切れ、脱力感、しびれ、視覚の変化、ろれつが回らないといった症状がある場合は、直ちに救急医療を受けてください。日本では救急車を呼ぶのは119番です。救急車を呼ぶべきか迷うときは、多くの地域で#7119(救急安心センター)が利用でき、看護師や医師が電話で状況を判断して適切な受診先を案内し、緊急と判断されればそのまま119番につないでくれます — 実施地域や受付時間は地域によって異なります。

症状がない180/120超の測定値でも、早めに医師に連絡する必要はあります — ただし必ずしも救急車ではありません。

よくある質問

日本では何mmHgから高血圧ですか?

JSHでは、診察室血圧140/90 mmHg以上、または5~7日以上測定した家庭血圧の平均135/85 mmHg以上で高血圧と診断します。上下どちらか一方でも超えていれば該当します。JSHの表では家庭血圧の基準値が診察室血圧より一貫して5 mmHg低く設定されていますが、これは家庭で測る値のほうが診察室で測る値より低く出るためです。

JSH 2025では何が変わりましたか?

診断のための基準値は動いていません — 診察室140/90、家庭135/85はJSH 2019から引き継がれました。大きく変わったのは降圧目標です。75歳未満と75歳以上で目標を分けるのをやめ、JSH 2025は全年齢で1つの目標 — 診察室血圧130/80未満、家庭血圧125/75未満を定めました。75歳以上では忍容性があれば個別に判断して適用することとされ、下げすぎへの注意も添えられています。

なぜ日本では診察室血圧より家庭血圧を重視するのですか?

そのほうが将来の発症をよく予測するからです。家庭血圧の平均のほうが脳卒中や心血管イベントを確実に予測するという根拠にもとづき、JSHのガイドラインは高血圧の診断において家庭血圧を診察室血圧より優先しています。また家庭血圧測定は、白衣高血圧と、その裏返しでより危険な仮面高血圧 — どちらも診察室での測定だけでは見えないパターン — を明らかにする手段でもあります。

血圧手帳とは何ですか?

朝と晩の家庭血圧を書き込む小さな記録帳で、健診や診察のときに持参します。日本の血圧管理では定番の存在です。JSHは、測定値はすべて手帳に記録して医師に見せるように、と勧めています。健保連が無料で印刷できる書式を公開しているほか、JSHが共同編集する公式の冊子体の手帳もあります。朝晩の平均を保存してPDFで書き出せるアプリも、同じ役割を果たします。

血圧のことで119番するのはどんなときですか?

まず測り直してください。それでも180/120 mmHgを超えたままで、胸の痛み、息切れ、脱力感、視覚の変化、ろれつが回らないといった症状がある場合は、すぐに119番に電話して救急車を呼んでください。救急車を呼ぶほどか判断がつかないときは、日本の多くの地域で#7119が利用でき、医療スタッフが電話で状況を判断し、緊急であればそのまま119番につないでくれます。

出典

血圧に関するガイド

1回の測定値ではなく、本当の平均を記録しよう

無料の血圧アプリをダウンロードして、あなたの数値に本当の姿を語らせよう

App Storeで血圧をダウンロード

基本無料・オプションのプレミアム機能あり iPhone、iPad、Mac対応 • iOS 16.0以降